porcelain wear
ポーセリンウェアとタヤートのこと
突然ですが、ポーセリンウェアはシアタープロダクツが提案する部屋着です。
シアタープロダクツは体に引っかかたり、のったりするものだけが”服”だとは考えていません。
人間の姿は観光地にある顔出しパネルのようで、
オリジナルのパーツで見えているのは顔と髪、首、手くらい、
8割以上は別のものがその人として見えている状態です。
私はもちろんそのことにネガティブな気持ちは微塵もなく、
どちらかというと、そのパネル部分がファッションの領域だと思っていて、
それはタヤートのイラストのように広がり周りの空間と一体化して、
しかもそのパネルは3次元で質量を持ち、
時間の流れも伴って表現されるので楽しくてしょうがないのです。
では、食事をしている人の姿を想像してみてください、
正面から見ると体が見えるのは頭の先からハイウェストあたりまで、
その下にテーブルもしくはテーブルクロスが広がっているはずです。
テーブルで足元が見えているなら、くるぶし丈のスカート、
テーブルクロスで完全に隠れていたら、
マキシ丈のロングスカートのようにボトムとして機能しています。
その上に並ぶ食器や料理はスカートに広がる模様のように、
カトラリーや花は刺繍やブローチのように
ファッションそのものとなっているわけです。
インテリアとファッションの違いはどこにあるのか
ティータイムのためにテーブルにかけたスカーフは?
体に巻きつけドレープを作ったカーテンは?
舌の上にのった料理と舌のピアスの違いは?
こういうの、考えるのが楽しく、答えはどうでも良いやつです。
インテリアもファッションだとか言いたいわけではないし、
ジャンル分けなんてどうでも良い。
これでポーセリンウェアのこと、ご理解いただけたかと思います。
そう
これはハンカチのような形をしたお皿ではありません、
ケーキや料理を乗せるのにぴったりなハンカチです。
これは帽子のようなカップではありません、
スープやジャムを入れるのにぴったりな帽子です。
これは時計のようなナプキンリングではありません、
ナプキンを留めるのにぴったりな時計です。
これはバッグのような花瓶ではありません、
花をいけるのにぴったりなバッグです。
お家での食事やお茶の時間にシアタープロダクツを是非!
※エルネスト・タヤート(1893-1959):20世紀初頭の作家、
未来派やキュビスムの流れを汲んだ独自の作風は、ファッションの世界で稀有な存在である。